ウランとホームラン

四月二十七日(木)雨後陰
オットー・ハ-ン自伝読了。化学者として毒ガスの父ハーバーとともに第一次世界大戦では毒ガスの開発をし、さらにそれを使った実戦にも参加、時に防毒マスクの効果実験では毒にやられて入院したこともある。さらに放射性元素の研究からウランの原子核分裂という現象を発見。その功績により後にノーベル賞を受けるが、ナチスとは距離を置き、原爆の開発には一切関わらなかった。にも拘らず原爆発見の父のように言われていた時期もある。とは言え、広島への原爆投下を知った際は大きなショックを受けた。第二次大戦中から連合国側のドイツ人科学者の東側流出を避ける理不尽な抑留という目にも遭うが復帰後はドイツ科学界のトップの座に君臨した。毒ガスに被災し日常的に放射性物質を扱い、しかもヘビースモーカーで葉巻を手放さなかったにも拘らず89歳の長命であった。そのハーンの書いた自伝で、ウランや放射能に関する記述は全く分からなかったが、面白い読み物であった。宇宙と原子核は私にとっては怪談であって、それを考え出すと一切の存在の根拠を失うようで怖くなって思考を止めるので、そもそも理解しようとする気がないのである。それよりは毒ガス物質の方が遥かにリアルで親しみがもてる。
夜ネットTVで早実日大三高の試合を見る。清宮君の二本のホームランも見ることが出来た。特に二本目は土壇場での同点弾だったのには恐れ入った。打球も凄いものだった。結局早実がサヨナラで勝ったが、18-17という、殴り合いのような試合であった。勝ったといってもピッチャーがあれだけ打たれてあんなに頻繁に野手にエラーが出れば、全国大会であれば簡単に負けていただろう。乱打戦は面白かったが、この先が心配になるゲームだった