朝のルーティーン

三月十九日(月)
目覚ましが鳴るのは六時五分、二度目のアラームが鳴る五分後までに布団を出て眼鏡をかけ、ベッド脇の水筒と時計をベッド上の扉に近い位置に置き、反動をつけて足の方向に起き上がる。この時期だと寒いのでまず靴下を履き、フリースのジャケットを身に着ける。それから、ベッドのすぐ脇にある衣裳戸棚から下着を一揃え出してさっき時計を置いた辺りに置く。それから石油ストーブを点火して廊下に出てトイレに行く。用をたして寝室に戻って、時計と水筒と着替えの下着を手に階段を上がり、水筒をキッチンに置いてから洗面所に入る。下着と時計を洗濯機の上の籠に載せ、冷たい水で三回顔を洗いうがいをする。左目のコンタクトレンズを入れ、眼鏡を洗面台の鏡裏の収納スペースに収める。ときおりこの後に髭を剃るか場所の悪い髭を抜いて揃えることもある。それから居間に移動してテレビをつけ、頭皮マッサージの機械で二分ほど頭皮を柔らかくする。その後小上がりの畳の上で股関節と肩甲骨を中心としたストレッチを十五分ほど行う。その間テレビのニュースがカーリングパラリンピックの話題になればチャンネルを替える。再び洗面所に戻り、朝はピュオーラの歯磨き粉で歯を磨きながらスクワットを六十回やる。その間テレビで天気予報をやる時は見に行く。水の節約を心掛けながら口をゆすぎ歯ブラシを洗ってからパジャマ代わりのスエットの上下を脱ぎ浴室に入る。体、顔、頭の順に洗い、温泉で貰う薄いタオルで何度も拭って体の水分を取り、洗面所の脱衣場に戻る。バスタオルでさっと拭いてから腰と肩にフェルナビクの消炎鎮痛剤を塗り、それから体の五か所くらいに香水を吹き付ける。下着をつけドライヤーで髪を生乾きにしてから、顔に美容液と保湿のジェルを塗る。少し前までは乾燥していたので脛や肘、肩などにローションを塗っていたが、湿度が上がった今はしていない。それからブラシとドライヤーで髪型を調える。下着のままスエットやフリースは手に持って寝室に戻る。まず靴下を履き、シャツを着てズボンを履き、日によってはネクタイをつける。上着までつけてから書斎に行き、会社の出入りに要るIDカードをベルトに着ける。それからさっとメールをチェックしてリュックサックに必要なものを詰めはじめる。電車の中で読む本と老眼鏡、ペン、アイパッドと手帳、財布、ノートや書類などである。今の時期は花粉対策のマスクとサングラスも忘れぬように玄関に出す。それから再び二階の洗面所に行き、美容院で買ったワックスを使って髪型の仕上げをする。その後キッチンで朝食のおにぎりと昼のお弁当箱の入った袋を受け取り書斎に戻りリュックサックとは別の帆布の鞄に弁当を入れてから、寝室のベッドメークをする。ストーブと空気清浄機を消し、コートを着て定期入れをそのコートのポケットに入れてから鞄二つを持って玄関に行き、マスクとサングラスをつけ、靴を履いて鍵を手にして出発である。この時七時二十分。目を覚ましてから一時間十五分掛かったことになる。一日の中で最も作業密度の高い時間帯である。