必然と偶然

六月二日(木)雨、寒さ続く。
【左; パリ、アンリ四世校の中庭】
本日、内閣不信任決議案、否決。先日、六億円強奪事件の犯人の一人が捕まつた。事の運びのあつけなさと、まだすつきりしない事が多すぎて、結末には程遠い点でこのふたつの出来事はよく似てゐる。政権と警備会社の余りにもお粗末な危機管理もそつくりだ。
先日のパリ滞在中の前後に、知人が三人ほどやはりパリにゐたことが分かる。かういふことはだいたい後になつて判明する訳だが、先に知つてゐれば一緒に食事などもできて楽しかつただらうと思ふと残念だ。まあ、お互ひに相手がまさか同じ時期にパリにゐることなどないだらうと思ふから、わざわざ伝へないためにかうなるのである。
ところで、会社の同僚に五月の連休中、昨年は京都、一昨年は青森・弘前と、示し合はせた訳でもないのに同じ場所に出かけた者がゐて、まさかパリで会はないだらうなと思つてゐた。実際に会ふことはなかつたのだが、帰つてから聞くとスペインに行つてゐたといふ。距離はともかく、日本からの方角だとかなり似たやうなものである。誤差範囲と言つてもいい。来年こそ違ふところに出掛けやうと変にマニアツクな場所を探すことで却つてまた近くに行かないやうにしたいものだ。ちなみに其の同僚とは仲が悪い訳ではなく、事前に行くことを知つた京都では夕飯を倶にしたくらゐなのだが、これだけ続くと何だか趣味嗜好が似てゐるやうに思はれるのが、恐らくお互ひに嫌なのである。