零戦と海軍

六月十一日(土)雨後陰
十一時より一如庵にて尺八稽古。早稲田でつけ麺を食したる後地下鉄で上野に行く。銀座線から上野公園に向かつて出た先の映画館が閉館して古本屋になつてをり、覗くに意外と広く小一時間を費やす。品揃へは並の下なれど数は多く、数書を購ふ。零戦開発秘話といふべき柳田邦男の『零式戦闘機』や、『京都学派と日本海軍』『海軍と日本』など海軍に関する本と、橋本関雪の随筆など。其の後徒歩国立科学博物館に赴き零戦実機を見る。大きさは、小さくもなく大き過ぎもせず、細部まで見ることが出来満足なり。今日は朝から眠気甚だしく、往復の電車でも正体なく眠り、帰宅後も夜まで眠り予定せし事何も出来ず。
古本屋には戦記もの、軍事関係の書をコーナーとして持つ所多く、今までは特に興味もなく見過ごして来たものの、今日久しぶりに其の一角を丁寧に見て、案外面白さうな本の多きことに驚く。残念ながら今日は零戦の本は一冊しか求め得ず。
一方、科学博物館のミユージアムシヨツプは恐竜グツズが雑然と並び中国の土産物屋の如き様相にて品格なく、東京国立博物館に遥かに劣る。まずは航空機の基本用語を知るための良書を求むるも、零戦の本も皆無の有様にて、子供向けのおもちや屋に異ならず。