脳梗塞の夢

十一月朔日(火)快晴
朝、会社の窓から富士山がくつきりと見える。雪のない富士山をこれ程はつきり見るのは珍しい。
今朝の夢。医者と会つてゐて、脈を見てゐなかつたといふので腕を差し出すと、医者が「脈が粗いね」と言つたとたん、腕の力が抜けてだらりと垂れ下がり、全身もへなへなと倒れこむ。丁度コンピユーターを強制終了させた時のやうな音がして目の前が冥くなる。ああ、これは脳梗塞クモ膜下出血ではないかと思ひ、医者が傍にゐるから助かるかな、もう普通の生活は出来ないのだらう、どの程度後遺症が残り、どれ程のリハビリが必要になるのだらうといふ思ひが駆け巡る。意識はしつかりしてゐるのが不思議ではあつたが、妙に現実的な夢で、起きてから暫く暗澹たる気持ちを拭ひ去れずにゐた。好事魔多しといふことだらうか。