注射 

十一月十三日(火)晴
朝大船驛まで三十數分掛けて歩く。定時退社。急ぎ歸途に就き家の近くのT整形外科にて注射を受く。五十肩の右から左に移りて久しく、左肩の痛み續き処方されし痛み止めの薬もさして効なければ竟に注射に至る。歸宅後尺八練習。最近は専ら一尺八寸管にて夕顔、千鳥の後一閑流六段を何度も吹いてゐる。だいぶ輕妙さは出るやうになる。夕食後は京都旅行中につきての日乘の執筆に費す。『狩野亨吉の生涯』二百八十頁まで讀み進む。これでもまだ五百二十頁以上殘つてゐるが、先張り面白し。