竹と松

一月十二日(土)晴
九時前家を出で十一時より一如庵にて今年初めての尺八稽古。此の日は先日仕上がって来た宮島詠士先生の書を軸装にしたものを持参し神先生にお見せする。十二時半辞して中食の後地下鉄で稲荷町に行き、徒歩東京松屋ショールームに至る。程なく家人も来たり倶に唐紙の展示品を見る。いつかは作るつもりの茶室の壁紙や襖紙の好みを此処で知ろうという魂胆である。それから徒歩国立博物館に赴き、年間パスポートを買って入る。館内思いのほか人多し。目当ては等伯の「松林図」。久しぶりの対面。やはり素晴らしい。その後三室四室、とんで七・八、十室を見た後一階に降りて近代美術を見るといういつものコース。何度行っても見た事のない逸品が山とあるのが東博のすごいところである。東博を出て薄暮の谷中を散策。古書肆信天翁にて露伴の文庫『辻浄瑠璃・寝耳鉄砲』を210円にて購う。それから朝倉彫塑館前にある薬膳カレーじねんじょにて夕食をとり電車で帰宅。夜正岡容『定本日本浪曲史』を読む。