此処數日

三月十二日(火)晴
先週金曜の臺灣戰以來、野球が氣になる日々が續いてゐる。臺灣戰は最後まで観戰しぐつたりと疲れ、翌土曜は一如庵にて尺八稽古の後日本橋に出づ。榛原にて唐物の半紙を購ひ新橋に往き東哉に寄つて小津好みの湯呑を買はんとするも、職人代替はりせしとて現物は映畫で見しものに姿は似るも非なるものなれば買はず。白磁の猪口を求めて去る。すぐ近くの三河屋にて煎り酒を買つた後鳩居堂まで歩き、松屋近くで所用の家人と別れた後市ヶ谷のS田先輩の個人事務所兼カラオケボツクスに赴く。某香料會社を志望する大學生A君と面談。其の後もS田先輩と飲み、歸宅十一時。
翌日曜は着物にて家人とまづ新宿高島屋のいけばな協会展に往く。草月流が主體なれど余り感心するやうな出品なし。レベルにばらつきがある。桂古流は初めて見るが、良いのもあるも流派としての方向性は見えなかつた。輕食の後原宿に移動。其の際新宿方向の空かき曇り暗然たり。黄砂の襲來と見えたるも後から煙霧たりしを知る。二時より香席。雉子香をやる。大伴家持の和歌に因んだ組香にて中々面白し。四時終了後直ちに歸途に就く。七時より阿蘭陀戰を観戰。臺灣戰と異なり快勝なれば麥酒も旨し。
月曜は朝から藤が丘リハビリ病院に行き筒井教授の診察を受く。注射を打たれ薬の處方を出して貰ふ。リハビリ及び再診の予約を為し、二時に出社。流石に忙しくあつといふ間に定刻となるも一日に為すべき事は終へる。要するに三時間で出來る仕事を一日に延ばして過ごしてゐるのである。歸宅後尺八を吹く事日課の如し。其の後阿蘭陀對玖馬戰をネツトで確認しつつ酒を飲み食事を為す。結局予想に反して阿蘭陀が激戰を制して準決勝進出を決める。かうして夜を過ごすので此のところ讀み書きが進んでゐない。