三対一

五月十五日(水)晴
前半一点を先制された後半、サッカー日本代表のベルギー戦に私が起用された。私はちゃんと走れるか不安ながらも、ボールが来るとほぼワンタッチでパスを蹴り出すのだが、それがことごとく敵のマークの外れた味方選手に繋がるのだ。そこに味方がいるのを分かってパスしているわけでもなさそうなのに、結果的に見事な配球となって、それがゴールに結びつき、あれよあれよという間に三点入って日本は勝つ。サッカーの日本代表になってしまうのはよく見る夢である。私にサッカーの経験はない。それなのに代表に選ばれたことに当惑しつつ、やるしかないと妙に前向きになることが多い。しかし今までは練習段階がほとんどで試合には初めて出た。緊張していたが、パスが繋がるのが面白く、自分でシュートこそ打たなかったが中盤の攻撃的ミッドフィルダーや司令塔と呼ばれるポジションになったようで悪い気はしなかった。