着物・香・水茄子

五月十二日(日)晴
日課の黄庭堅「范滂傳」臨書の後家人と家を出で目黒區八雲の越後屋を訪ね、先日來仕立てに出したる紬の一重着物の仕上げを確かめ、其れに合ふ絽の羽織を見立てて仕立てを依頼す。五月末の仕上がりといふ。文樂観劇には間に合はず。昼食の後北参道にて電車を降り徒歩妙喜庵に赴く。二時より香席。四季恋歌合香也。伽羅二種と眞南蛮、羅國、寸聞多羅を聞く。四時過ぎ終り、急ぎ歸宅して今度は車にて家人の實家に向かふ。母の日なれば先日買ひ置きし箸と、昨日偶々朔日の茶話會客人より届きし岸和田の水茄子粕漬けのお裾分けを持参。夕食を倶にして歸る。往き帰りの程ヶ谷バイパス何時になく空いてをり大して時間掛らず。