不落札

五月二十日(月)雨
歸宅すると古裂會から入札結果の通知が届いてゐた。急ぎ開封するに余が入札せし香木は不落札なるを知る。實に殘念至極。下見會で實際に嗅いで伽羅と目星を附けたので何としても落とさうと多少奮発したものの及ばず。悔しき事限りなし。斯くして真に欲しき物に出会はば確實に落とす為入札価格を高めに取るやうになるのであらう。余などは資金も乏しいから限界はあるが、金持ちはつい大金を費やすやうになるのに違ひない。