眞名仮名

九月二十六日(木)陰時々晴、風強し
夏の途中から朝早くに起きられなくなり、書の稽古は歸宅後にしてゐる。少し前まで関戸本古今集を手本に仮名を練習してゐたのだが、一向に上達せず面白くもないので、一昨日から又漢字に戻して今は米芾を再開。仮名は優美ではあるが恰好良いとは言ない。恰好良い字を書きたいのに、優美にさへ書けぬ苛立ちが募つてしまふのだ。勿論恰好良い字が書けてゐる訳ではないが、書きたい字に近づけたい氣持ちがあるから續けられる。和様の書は美しいとは思ふが書きたいと思つてゐる訳ではないのかも知れぬ。年明けのお初香ではまた筆者を務めることになりさうなので、少しは和様で書きたいのだが、まあ諦めることにしやう。
今日會社で變な通達が相次いで出た。事業部ではイノヴエイテイヴを標榜してゐるらしいが、其の意味が初めて腑に落ちた。要するに問題は其の儘にして問題なく運用されてゐる事柄を變へるのがイノヴエイテイヴの定義らしい。平和な會社である。