今どきの小學校

十月八日(水)晴後陰
やり殘した學期があるといふことで、三學期だけ三鷹市立第一小學校に編入することになつた。場所は昔と變はらないが校舎は新しくなつてゐる。校門には新學期のせゐかたくさん人がゐてお祭り騒ぎである。外人の母親らしき姿もちらほら見え、時代の違ひを感じさせる。校庭の掲示板にクラス分けの表示があると思つたのだが見つからないので中に入ることにする。入るとすぐに教職員のための喫煙ブースがあり、英語が聞こえて來る。教師に外國人もゐるらしい。今どきの小學校はかうなのかと驚く。さらに奥に進むと食堂になつてゐて、今は教室で給食といふスタイルではなく社員食堂のやうな形で食べるらしい。ずいぶんと開けたものだと思ふ。職員室は二階らしいので階段を昇ると、途中やはり編入組なのか、あるいは地方からの見學なのか、背広を着た初老の二人連れがゐて、暑いのにきちんとネクタイをしてゐる。自分はといふとTシャツに下着のパンツいつちよといふいでたちで、パンツがめくれてしかも半ばずり落ちて半ケツになつてゐるのでさすがにまずいと思つて直さうとするがうまく行かない。職員室に着くが、電氣工事人の控へ室のやうで人相の惡い人たちが、長いケーブルや機器類に囲まれて座つてゐるので、自分の教室が何処かを聞くのをためらつてゐる…。