メタモルフオーズ―或は牛ゴリラ

三月二十一日(土)
林與一と濱木綿子の夫婦が料亭をやつてゐる。二人はまだ若く倶に美しい。彼らは地主でもあつて、私は其の店子である。また所有する廣大な土地の一角にジヤングルがあり、私は紆余曲折あつて(失念)、其のジヤングルを開發することになつた。
ジヤングルには先住民族のやうにチンパンジーが棲んでゐて、私はチンパンジーと交渉を進めるが難航するうちチンパンジーがゴリラになつた。さうかうするうち、何十年に一度といふボスのシルバーバツク・ゴリラが暴れ回る時期になつてしまひ、ボスゴリラは棍棒のやうなものでジヤングルの木を片つ端から折り始め、森だつたところを徹底的に破壊して更地にしてしまふ。疎らになつてゆくジヤングルの先に、雄のライオンと何か黒い動物が現れた。ゴリラは構はず破壊を續ける。其の勢ひに押されて通常ならライオンも逃げる筈であつた。ところが老いたライオンはもはや棲み慣れた此の地を去り難いのか、竟にゴリラと格闘を始める。ゴリラは今度は巨大な水牛となつて戦ふ。ライオンを下に組み敷いて兩者が動かなくなる。私は牛ゴリラに加勢する積りで刀を斬りつけるが、どう見てもステーキに切れ目を入れてゐるやうにしか見えない…。