出発

九月一日(火)雨
九時過ぎ雨の中ビニール傘で駅まで歩き、傘はそのまま駅に置いて横浜に出る。そこから京急で品川まで行き、そこで京成アクセス快特に乗って成田に出る。これは便利な列車で、特急料金不要で運賃も安く、しかも時間も思ったよりかからず、実にありがたい。車内は大小様々なスーツケースを引いた旅行客が多い。久し振りの海外旅行のせいか、出国カードが要らないことにまず驚く。定刻通り飛行機は飛び、眠ったり食事をしたり映画三本見るうちにわりとあっけなくロワシーに到着。入国審査に若干時間がかかるが、ここでも何ら申請書類が要らないことに驚く。前回のパリは四年前だが、その時どうだったかは覚えていない。荷物を受け取りタクシーで市内に向かう。ホテルは六区のサン-シュルピス寺院の近くで前に住んでいたアパルトマンにも近い。よく知っているので、来るとどうしてもこの界隈に宿を取る。荷物を置き、着替えてから散歩に出る。すでに夜の九時過ぎでさすがに暗くなって肌寒いくらいであった。考えてみるとパリ駐在から帰国してすでに二十五年も経つ。住んでいたのはサン・ジェルマン大通りに面した、メトロのマビヨンに近いところの五階で、日本の六階に相当し、しかもエレベーターのない小さな部屋だったが立地は最高であった。家人が見たいと言うのでその前を通り、ブッチ界隈の賑やかなレストラン街を歩き、途中で水を買ってからサンシュルピスの広場のベンチに腰掛けて休む。機内であまり眠らなかったのですでに眠い。宿に戻り十時過ぎに就寝。