肛門とハイボール

八月二十二日(月)雨後陰。颱風通過。
円い透明なカプセルの中にドラム式の洗濯機が入ったものが沢山あって、同時にすべてがクルクル回ってドラムの中では洗濯をしている。洗濯機の中のものは洗濯槽とカプセルの二重の回転をしているわけである。洗濯が終ると中から黄色い着ぐるみを着た女性たちが何人も出てくる。なるほど着ぐるみは皆きれいに洗い上がっている。私はそれらの女性たちを街まで送り届けなくてはならず、ブルドーザーかシャベルカーのように運転台が異様に高いところにあるバスを運転することになる。急な坂を降りて行くのだが目いっぱいブレーキを踏みながらの運転である。途中で同乗していた中年の男がこちらから行けと指示を出し、不承不承でハンドルを切ると確かに平坦な道に出て、言うことを聞いてよかったと思う。その先のバス停で外国人らしい若い女性が乗って来るが、何と下半身裸の上お尻の穴がぱっくりと開いているのが丸見えである。これには同乗していた着ぐるみのおばさんたちも気づいて、肛門にはめ込む大きなゴム製の、昔の浴槽の排水口にはめる栓のようなものを持って来る。やっと街に着くと私は居間に通され、三十年以上前に亡くなった伯父がウィスキーを飲むかと聞く。帰りの運転はさっき指示を出したおじさんがすることになって私は飲むことにすると、ハイボールがあまりきれいでないグラスで出される。私はちょっと気持ち悪いのだがそうとも言えず飲むと、それが思いの他美味しいというだけの話。