一万二千歩

二月四日(土)晴
朝十時より関内にて仏蘭西語の授業を受け、一時に終了後近くで昼食をとってから、関内‐東京、大手町経由で早稲田に赴く。三時から戸山町一如庵にて尺八稽古。「虚空」と「越後三谷」。それから飯田橋経由水道橋に至り、家内と待合せて駅前にて一茶の後後楽園プリズムホールの石川伝統工芸フェア会場に行き、家内の知人のブースを訪ねる。輪島塗の店也。箸を購う。それから地下鉄水道橋駅から春日で都営地下鉄大江戸線に乗り継ぎ勝どきに至り、そこで社中の人々と待合せて中央区立セレモニーホールまで歩く。七時より香道の先代の先生の通夜。私に面識ないが、家内が当初習っていた先生で、未詳倶楽部会員でもあった。大変な知性の人であったようである。最後に棺の蓋を開けてお別れをするということがあったが、私はその列に加わらなかった。面識のない者がその死顔を覗き見ることははしたなく、また故人の尊厳を損なうものだと思うからである。八時前辞して、勝どきから汐留に出て、新橋で寿司を食して帰途に就く。九時半過ぎ帰着。一日で一万二千歩以上歩いていた。都内で地下鉄の乗換を何度かするだけで歩数は増える。ふだん何とか一日八千歩は歩こうと努力していて中々果たせないのに、都内では何気なく移動しているだけで思いのほか歩数が伸びる。