会社

十月十九日(金)
会社というのは夢や希望をもって働くと必ず挫折し絶望させられるものなのだろうか。自分の利益だけを考え、唯々諾々と上司の意向に沿った言動の出来る者だけが社内的に上位に就くから、会社を良くしようとしてなされる提案も額面通りに受け取られず、足を引っ張ることになる。いや、足を引っ張るといった能動的な行為に出るのではなく、放置し無視し握り潰すのである。もちろん、こんな会社ばかりではないと信じたいが、結局のところ人に使われる身である限り、こうしたストレスから無縁では有り得ないのだ。それが嫌なら、自分で会社を興すしかない。それに付随する別種の不如意や労苦と現状の不満を天秤にかけて楽な方を選んでいるのだから、文句を言える立場ではないのだが、この徒労感はもはや癒し難いところまで来ている。企業に入って33年、ついにこの会社で尊敬できる人に出会えなかった。不幸はそこに尽きるのである。