尺八とピアノ、それから佛教辞典

尺八とピアノによるコンサートを、寒いので車で飯田橋トツパンホールまで聴きに往く。三時開演、終演五時過ぎ。如道会若師範神令氏とピアノは奥様三奈さん、其れにゲストの箏奏者の演奏である。尺八とピアノの合奏曲は二曲であつたが、二人をよく知る作曲家の作品であるためか、二つの出自の異なる楽器の音色と響きが違和感なく合つてゐて美しい。また古典本曲も、初めて尺八を聴く人にも馴染みやすい澄んだ音色でしかも余韻が程よく暗闇に消えてゆく感じで流石である。此のやうなプロの演奏家の師範のゐる会に自分が属してゐることが誇らしい。知つてゐる人の演奏といふこともあるが、楽しい演奏会であつた。触発されて帰宅後尺八を吹くも、昨日と打つて変つて音に伸びがない。もつともつと練習せねばと思ふ。

会場で東洋哲学出身の後輩に会つたので佛教辞典は何が良いかと聞くと、法蔵館のものがいいといふ。帰つてネツトで調べると『総合佛教大辞典』のことらしいが、二万九千四百円もする。古本でも大して安いものはない。年末年始図書館も閉まるので、どうせならすぐに手に入れたいが迷ふところである。