茶話会二回目

十一月六日(日)陰
朝から掃除と嶺庵の用意。茶花として紫式部を活け、それだけだと形にならないので近くの川沿ひから灌木の小枝など切り取りて添へる。客来訪の直前まで手を入れ、我ながら品よく出来上がる。二時半会社の同僚K氏を駅に迎へ車で家に連れ来たり、程無くやはり会社の同期M氏も到着。両氏より結婚祝ひのワインとK氏より堺名物けし餅を頂戴し、今日の茶菓とす。三日と同様のスケジュールにて嶺庵茶話会を開く。香木は先日羅国を焚き切つたので二種。その内ひとつはK氏より頂戴した香木から斬り出したものである。今回はK氏の其の功を大として正客としてもてなすもの也。尚其の香木の銘を「松籟」と名付く。尺八は大和樂、阿字観、布袋軒三谷、そして松風である。懐石の酒は鳥取の鷹勇を用意。料理の献立は三日と同じだが、時間の関係で三日には出せなかつた柿と梨の果物も出せた。歓談九時に到り、明日もあることなれば名残惜しくも散会となる。




長く実現を希求してゐた茶花香竹と酒・食を愉しむ茶話会を相次いで二回開催でき、達成感がある。其れに合せて茶器骨董の類を買ひ揃へる楽しみも満喫し、其れを通じてN子との趣味の一致が確認できたこともあり、感慨ひしとほである。今後も懐石を除いた気軽な形でもよいから、知人を招いて茶話会を続けて行きたいと思ふ。尺八にしても人を前にして吹いた方が、適度の緊張と集中力のお陰かいつもより上手く吹ける気がするのである。