尺八三味線

三月二十一日(水)晴
帰宅後嶺庵で練習。大和樂、松風三回、調べ・下り葉、虚空、布袋軒三谷、無住心曲を吹く。其の途中アマゾンより本條秀太郎さんのCD『端唄』が届き、食事前にウヰスキーの水割を飲みながら聞く。実にいい。三味線の音色はやはり生演奏と比べると冴へ冴へとしながらかつ艶のある繊細な響きに欠けるが、それでも十分楽しめる。何とも浮き立つやうな楽しい気分になつてくるのである。旋律の面白さ、詞の面白さ、三味線の音色と秀太郎さんの艶のある声…何で此の良さが今まで分からずにゐたのか不異議なくらゐである。ただ、此の良さは中々簡単に分かるものではないらしく、N子は大して興味を示さない。さうさな、やつぱり何だね、五十を越さねえつてえと、端唄や三味の音の面白さはわかるめえさ。