如覚庵訪問

八月二十五日(土)晴 本庄摂氏三十六度
早朝家人と車にて出発、首都高速を与野で降り、一般道を武蔵丘陵森林公園に向ふ。途中熊谷市を通り、森林公園が暑さで有名な一帯にあることを初めて知る。北口駐車場に車を停め入園。炎暑の悽まじき事東京横濱の比に非ず。涼を求めて此処に來る愚を知る。木陰のベンチを見つけ、最早歩き廻る氣になれず讀書及び持参の弁当にて中食を為す。食後木陰の道を選んで駐車場に戻る。其の間行き交ふ人も殆ど無し。車にて数十分の温泉施設に赴き入浴。汗を流し、安らぎを得るに似たり。其の後如覚に電話を入れ、これから向ふ旨を告げ、一般道を本庄へと北上。一端駅前のホテル本庄に投宿し、再び車にて如覚邸に往く。六時過ぎ到着。ひとり住ひには十分過ぎる広さにて、芝生の庭も羨ましき限り也。如覚手づからの料理にてもてなさる。ビール、日本酒を飲み歓談十時半に到り辞す。ゲーテタルコフスキーユイスマンス等普段の生活では忘れかけた名を口にするも樂し。また、如覚が掛けてくれた西松文一の地唄のCDには括目せざるを得ず、久しぶりに良い音曲を聴いた思ひである。帰りは家人の運転にて宿に戻る。夜も溽熱去らず寝苦しき事言語を絶す。