雨中竹茶 

十一月十七日(土)陰後雨
八時家を出で十時より一如庵にて尺八稽古。大和樂、布袋軒鈴慕の後越後三谷二囘の後一尺八寸にて流し鈴慕曙調子を二度吹く。十一時半辞して古本屋を見るも得る物無く、晝食の後電車を乘り繼ぎつくし野に至り、徒歩家人の實家に赴く。寿棚の薄茶点前と立礼の点茶盤点前の稽古を為す。岳母社中の門人去り、夕刻余は独り尺八の練習を為す。早めに夕食を岳父母と家人の四人で取り其の後辞して歸宅。雨は冷く氣温は低し。此の日電車の中にて『狩野亨吉の生涯』讀み進むも五百頁に達するに過ぎず。