徳利と例會 

十一月十八日(日)晴
九時半家人と家を出で有樂町に到る。大江戸骨董市を見て廻る。義妹と合流し倶に晝食を取る。此の日備前焼の徳利を得る。家人と義妹は倶に出掛ける為地下鐡の永田町にて袂を別ち、余は早稲田迄乘車。二時より如道會例會。余はO君と松風を吹く。各自演奏後の歓談時には先日の令先生の演奏會の感想等語り合ふ。演奏家として、如道會の中心として、又竹友會の師範として、各々為すべき事取るべき道に自ら違ひがあり、労や尽力の配分調整に苦慮せる様子也。如道會員の中にも音樂としての尺八の指向、好みに相違あり。余は古典本曲以外に興味は持たざれども、若手には尺八を樂器として様々な音樂を吹奏せむことを望む者もあり。四時半過ぎより酒宴となり、如道先生に關する懐古談など樂しく聞く。六時半散会となり、近くの居酒屋に赴く者、M地、S田、Y部の諸先輩とY氏に余を加へたる五名。尺八談議に時を過す。八時過ぎ此方も散会となり歸途に就く。先日來右足親指爪先に痛みあり。或は痛風ならんか。老體到る処に綻びを生ず。悲しむべし。