百合根きんとん 

十二月九日(日)晴
茶之湯稽古。山里棚にて薄茶濃茶各一囘点前を為す。濃茶の主菓子は若柳製百合根きんとん。晝食には岳母の手になる粕汁を食す。鮭の風味も良くなり極めて美味なり。社中の門弟皆お代りをして賞味す。夕刻呉服商越後屋さん來り、先日求めし駒結城の反物を託し、之に合ふ羽織と併せ単衣の着物に仕立てて貰ふことにす。又家人が先日仕立てし草木染に合ふ帯を持参し示すに良きものなれど、此の処出費も嵩み家人の逡巡したるを岳母が見て其の場で現金にて買ひ与へられたり。親心有難く謝すべし。夕食後歸宅。極めて寒し。