武満

四月十二日(金)
YouTubeにて武満徹作曲の『ノーヴェンバー・ステップス』を聴く。『音と文明』を読んでいて言及があったので興味を持ったのである。尺八と琵琶とオーケストラ、指揮は小澤征爾。確かに琵琶と尺八の音色が数多の西洋楽器群に伍して精彩を放つ様は素晴らしい。初めて横山勝也を凄いと感じた。今までは虚仮嚇しのわざとらしい吹き方だと思っていたのだが、この曲ではあれぐらいの音量や迫力が必要だろうし、あんなにも多彩な音色の出る尺八という楽器を誇らしく思わせてくれる点でも文句のつけようがない。『音と文明』は音や音楽、言語の起源や言語脳(左脳)と非言語脳(右脳)の機能について、まさに今の私の興味の核心に触れた著作であって、まだ読み終わってはいないものの、その影響は多大なものがある。『密林のポリフォニー』に続いて、新たな音の世界を知らされた感がある。ちなみに著者の大橋力は藝能山城組を主宰する山城祥二その人である。