ホラ丸

八月三十日(金)晴、暑し
今、訳あって杉山茂丸の『百魔續篇』の一部を国会図書館所蔵のデジタル画面からプリントアウトして読んでいる。『俗戦国策』に関しては復刻版を注文して今日落手。いやはやとにかく面白い。もしかすると息子の夢野久作のものより面白いかもしれないと思い始める。杉山茂丸を単に玄洋社の範疇で理解しようとすると見誤ることは多い。とにかく、本人も頭山満も、茂丸は右翼ですらないと言い切っているらしい。私自身もこの怪物の正体をつかみきれてはいないのだが、しばらく興味をもってあれこれ読んでいきそうな勢いである。薩長の間に挟まって、福岡系国士、熊本系国士など、歴史の裏面での暗躍は興味深いものがあるが、それ以上にホラ丸と呼ばれた茂丸の書いたものが、思いのほか面白いのである。

今朝の夢。
イタリアの修道院の平面図を描いていたら図面が立ち上がって本物の修道院になり、私もそこにいる。I, II, IIIに分かれた部屋割りの大半を占めるIの中の個室が私にあてがわれるらしい。中庭に面した、景観のよい部屋で、厚遇だと感じる。静かに暮らせそうな予感がある。大部屋には日本人が、企業の研修のような形で何人かいて皆フード付きの修道士服を着ている。私は彼らにイタリア語は必要かと聞くと、やはり出来た方がいいと言うので、英語とフランス語で何とかなると思っていた私は、それでは離日前にイタリア語を学ばなくてはと思う。そういえば大学時代にイタリア語をやりかけていたことがあり、あのテキストはどこにあるのだろうと思う。一方で、仏僧になることを志していた私がキリスト教の修道僧になることに運命のめぐり合わせの不思議さを思うのだが、日本の妻はどうなるのだろうかと心配にもなる。手紙のやりとりの他、どうやら修道院でもネットは使えそうなので、メールは出来るかなと思っている。