果實

一月二十五日(土)晴、暖し
昨夜就寝が遅く八時半過ぎ起床。入浴の後外出。早稲田に出で晝食の後一時より一如庵にて尺八稽古。三月の如道忌で余は流し鈴慕を吹くこととなる。二時に終り早稲田通り沿ひに神樂坂方面に果物屋を探して歩くも見つからず地下鐡と東横線にて横濱に戻り、地下街を歩みドラゴンフルーツを得る。此れは明日の初釜の煎茶席での盛り物に使ふ為のものなり。仏手柑を探したが見つからず、他にもいろいろ物色してみたが意に沿ふ果實がなくて難儀したが、色合ひも形も面白みがあり、良いものを見つけた。更に歸りに家の近くの驛前にて菊花、瑞樹、金柑を購ひて歸る。早速木の花台に飾つてみるに悪くない。家人は喜んでゐた。明日本番でどうなるかはお樂しみだが、何とか形にはなりさうである。本式の盛り物とは違ふのだらうが、どちらにせよ清源流の無制限流だから構はないのである。夕食後は初釜の會記を認む。明日の初釜を終へたら、暫くは必死に執筆に取り掛からねばなるまい。