雜録

二月十一日(水)晴
モテ期ならぬ働期(はたらき)である。忙しい事もあるが、香りを創ることも文章を作ることも樂しく充實してゐる。仕事歸り週二・三囘リハビリに通ひ、時間も取られるが止む方あるまい。五拾肩がまだ治らぬので尺八を吹くことも筆を揮ふことも控へてゐる。
ところで、今日書いてゐた原稿をワードの「文章校正」にかけた處「的を得た」に赤線が出て誤用であるといふ。そんな事はないだらうと思つて辞書を引くが、岩國、新明解倶に出てゐないのでネツトを参照してみた。すると、「的を得た」の誤用・正用論争が續いてゐた事實が判明。長らく「得た」は誤用、「射た」が正用とする解釈が一部で通用してゐたらしい。今では三省堂國語辞典が誤用としてゐた記述を撤囘した爲「得た」誤用説も消滅したやうである。ワードは舊解釈をいまだに踏襲してゐるもののやうである。「文章校正」をかけてみると、かうして面白い発見があるので、これからも偶にしてみようと思ふ。