冴えない春

四月十四日(火)陰後雨
今年の春を一言で表現すれば、冴えない春であらう。雨が多く氣温も低く、櫻も満開のタイミングが春爛漫とは遠いものであつた。八分咲きの頃は暖かく、満開の頃に寒くなつて、二分散つた後の花が寒々と雨に濡れ、花びらは路面に張り付いてゐた。理想的な春、繪に描いたやうな春はもう望めない時代になつてしまつたのかも知れない。ちなみに余は明るい氣分にならうとして期待が裏切られると一氣に氣持ちが沈んでしまふタイプである。