気散じ

六月朔日(水)晴
昨日は午前中研究から元同僚の女性二人が来ていたので昼ご飯を倶にして随分と気が晴れた。二人とも私が現職場でげっそりと疲れた表情で居るのに驚いていた。研究に居る頃とはおよそ顔つきからして違うらしい。それにしても彼女たちは一緒に働いていた頃愛と優しさを感じさせてくれていたことを、今更ながらに実感する。
今日は持参の弁当を食べ、食器を洗った後気散じに散歩に出た。懐かしい蒲田の街を、そう言えば転勤後ろくに歩いていない。京急蒲田方面を歩き、Mさんと過ごした頃や、蒲田八幡で娘の成人のお詣りをしたことなど思い出され、涙が浮かぶ。商店街も新しいビルが出来てだいぶ様変わりしているが、それでも昔のままの姿もあって懐かしさに胸がいっぱいになる。若かった時代。あれから何という年月が流れてしまったものか。三十年前入社二年目の春に転勤以来、トータルでも六年程しか通っていないのに、色濃い思い出ばかりが残っている。思い出の断片を探しに、しばらく昼の散歩を続けてみようかと思っている。