紅葉シリーズ 1

 秋も深まり急に寒さを感じるようになった。

 この季節らしく過去の紅葉の写真を幾つか載せていくことにしたい。

 まず下の写真は伊豆の韮山で撮ったものである。昨年、江川英龍に興味を持って韮山代官屋敷を訪ねた際に、近くにある寺の銀杏の紅葉が美しくて撮った。この寺には柏木忠俊の墓もある。と言っても、知る人はほとんどないだろう。江川家の家人で、明治になってから県令なども務めた人だ。ニール号が遭難した際には派遣されて西伊豆に行っている。

韮山

 

グラースの街並み

 1911年に甲斐荘楠香が下宿から研修先であるスラン社まで通ったと思われる道筋を2015年に辿ったことがある。建物も含めその頃とほとんど変わっていないだろうと思われる街並みに胸が一杯になった。この路地を通う一歩一歩が、日本の香料産業誕生のための歩みであったのだ。

グラースの街並み

 

お城

 もう8年前のことになる。ブルゴーニュ地方にある知人の別荘に泊めて貰ったことがある。シャルレのステーキとシャンベルタンのワインという極上の食事を振舞われた翌日、日仏ハーフの息子さんに最寄りの駅まで車で送って貰ったのだが、その途中に見つけて車を止めて貰い写真を撮った。だから見学もしていないし城の名前も知らない。ただ、空が奇麗なせいでお城がすんなりと収まった写真が撮れた。こんなお城がいきなり目の前に現われたら、絶対写真を撮りたくなる。

シャトー

 

美術学校

 パリにあるÉcole Nationale Supérieure des Beaux-Arts、すなわち国立高等美術学校、日本の芸大のようなものである。美術を学ぶのであればその場所も美しくあらねばならないという、至極まっとうな理念のもと建てられたと思われる実に立派な建物である。ただし、研究室や学生の創作する部屋などは予算不足なのか荒れている。東京芸大は外観はさほど美しいものではないが、現代的な建物の中に各学生に小奇麗な創作の部屋が与えられており、どちらがいいのか中々判断の難しいところであろう。そのパリの美大生を連れて芸大を見学した際にフランス人学生のもらした溜息の意味が、その後にパリの美術学校を初めて訪ねた時に少し分かったような気がしたものである。

美学校