墓参

九月十九日(月)晴
九時半車にて出発。三鷹の実家に行き初めてN子を両親に引き合はす。直ぐに父母を乗せて発ち元麻布長玄寺に彼岸の墓参に赴く。妹と姪ひとりが後から着き、総勢六名にて花十番にて午餐を倶にす。食後十番の通りの川口金物店にてロープを購ふ。此の店は嘗て父が鉋や鑿を購ひし店にて、先代の長男が今も店を守る。再び四人で実家に戻り夕食までゐる。其の間テレビで野球を観戦しつつ、N子を交へ歓談。話に出た川口金物店で昭和三十年代に父が三万五千円で求めし鑿のセツト及び「男盛」の銘のある鉋を見る。その際四十年以上前に父が自ら手遊(てすさ)みに彫りたる小型の墨壺を貰ふ。趣向の変はつた飾り物としても面白きもの也。八時半辞して帰宅。思ひの他N子も両親と馴染み、N子の建築好きもあつて会話の弾みたるは幸ひ也。


鑿、鉋、そして墨壺