野球シーズンの終り

十一月三日(日)陰
樂天の予想外の優勝により今年の野球シーズンが終了した。百六十球投げた翌日の田中の登板には驚かされた。未だ高校野球と同じメンタリテイで野球をしてゐて果たしてプロと呼べるのか。メジヤーリーグのスカウトならずともクレイジーと嘆息をつきたくなる。美馬を八囘まで投げさせ、九囘則本ならもつとすんなり勝ててゐたのではないか。さうすれば美馬のMVPももつとすつきりと輝かしいものになつてゐた筈だ。ペナントでの田中の活躍は特別なものであつたにせよ、日本シリーズを是が非でも勝ちたいといふのなら、ああいふ登板は理解不能であらう。結果的に勝つたにせよ、あれでは星野が何をしたかつたのかが分からない。マー君主人公のスホーツ根性マンガを完結させたかつただけではないかと思へてしまふ。そんなマンガ的筋書であつさりと負けてしまつたジヤイアンツも情けないが、まあ巨人が敗れたことは喜ばしいことではある。尤も余は巨人そのものよりどちらかと言ふと巨人フアンの方が嫌ひなのではあるが。今夜の試合を見てゐて田中投手がメジヤーでやつて行けるかどうか心配になつて來た。實力は申し分ないにせよ、メンタリテイがちとメジヤー向きでないやうな氣がして來たのである。