中学再び

十一月七日(木)雨後陰
中学に再入学することになった朝、どうやっても遅刻は免れぬ時間となり、やむなく自転車で登校する。案の定すでに始業時間を過ぎて到着。自転車をどこに置けばいいかもわからないし、何組に編入することになったのかも聞いていなかったため、職員室に向かう。数十年ぶりに訪れた五中である。職員室に入ると元担任の山浦師を見つけたので事情を説明する。山浦師は私をとなりに座っていた女教師に紹介するが、女教師は興味のなさそうな生挨拶をするのみ。やがて山浦師が行ってみるかと声をかけて一緒に階段を昇って教室に入る。山浦師は私を簡単に紹介し、後は自分で話すことになった。中学生のこと故騒がしく人の言うことなど聞かないだろうと思っていると、意外にちゃんと聞き、私の言うことへの反応の話声も聞こえる。私は気をよくして中学の頃はここにいる山浦先生に英語を習ったが、たいして出来はしなかった。それでも外国への興味があってフランス文学を学んだ後就職してフランスやアメリカで暮らすことができた。しかし、そうした経験の中で、日本の素晴らしさや日本文化の深さに気づかされた、というような至極まっとうな話をする。将来どんなことになるか分からないのだから、特にこれからの世の中君たち若いものは嫌だろうけど英語をきちんと学びなさいと、何やら訓話くさくなりかけたところで目が覚めた。