呆れてものも言へぬ

五月十日(火)陰
ニユースの傳へる處に拠れば、被災地での盗難に對して厳罰化を自民黨が検討してゐると言ふ。發想の貧しく馬鹿げてゐる事この上ない。被災地であらうとなからうと、盗難は盗難である。其処に罰の差異を設ける事に余は如何なる正當な論理も見出せない。人氣取りのつもりなのか冗談なのか不明ながら、感情でしか物を考へない現政權の反知性主義が端的に表れ出た話である。こんな馬鹿げた話にすぐさま批判も出來ない大手マスコミにも今更ながら呆れる他ないが、批判すれば短絡的な感情的正論の旗を振りかざした輩によつて炎上させられるのを恐れてでもゐるのであらうか。政府與黨は國民を嘗めきつてどうせ物を考へずに其の場の感情だけで動くものと見切つてゐるのであらう。まともな知性でものを考へる人間が絶對的少數派になりつつある今、此の國は最早滅びつつあるとしか考へやうがない。安倍が日本の破滅への加速度を上げてゐるのは間違ひない。