眠りの長短

十一月七日(月)晴
朝晩の通勤の電車で座れると本を読むが、眠くなってすぐに寝てしまう。このこと自体は前からあることなのだが、以前は一駅の間のたかが四・五分の時間がものすごく長い時間寝ていたように感じられていたのに、最近は一駅過ぎた頃かなと思って見ると三つ四つ先だったりして驚くことがある。今の方が熟睡に近いのかも知れないが、そうは言っても目が覚めてすっきりする訳ではないし、あっという間に時間が過ぎる感覚はあまり嬉しいものではない。それよりは、とろとろと夢見心地で引き延ばされた時間の中を浮かんでいるような、ゆったりとした眠りの方が遥かに心地よい。七時間以上寝ているのに夢ばかり見て眠りの浅いわたしは常に睡眠不足なのだが、現実との折り合いがいつまでたってもうまく行かないこともあって、時間を引き延ばしてくれる眠りの方が明らかに望ましい。それが出来なくなったということの意味は悪い方にしか取れないのである。