若い娘たち

十二月二十五日(月)
知っている人には今さらなのだろうが、やっと大阪・登美丘高ダンス部が踊る“バブリーダンス”をユーテューブで見た。これが実に素晴らしい。やはり若い娘たちの頑張る姿というのは、ただ頑張るだけでなくその成果の質が高いと人の心を躍らせる力がある。特に平野ノラとのコラボレーションには感動した。もともとハスキーボイスを好むこともあるが、ノラちゃんは大好きなのである。おったまげー、なんて言ってる人は見たことはないけど、ノラちゃんがテレカだとか石黒賢、「しもしも」ということばを発するだけで笑える。ギャグとして選ぶいい感じに古臭いことばのセンスが良いと思うし、バブル期をちゃかしているのに決して人を嫌な気分にさせない。私自身はバブル世代に近いのだろうが、いつもの事ながら世間の風潮や流行からは距離を置いていたし、バブル期の日本人の姿は戦争中にアジアを侵略した日本の軍人と同じくらい醜悪だと思っていたので、ネタにされているような事柄とは無縁だったのだが、当時の風俗は笑われて当然であって、今となっては笑うことによって少しは許せるような気にもなる。現代の高校生があの頃の若い女の格好をして、当時とはまったく違うキレのいい踊りを見せ、しかも合間にデフォルメしたバブル期の表情をして見せる様は、何というか倒錯した爽快さのようなものを感じる。バブルが終わった後の喧噪のざわめきがまだ残っていた時代に若さのピークを迎えた世代にとってバブルは侮蔑と羨望の混じりあったものだったのだろうが、その名残のまったく消え去った時代に生まれた今の女子高生たちにはそんな微妙な感情など微塵もなく、単に歴史的な出来事として真面目に「ふり」をしているのが面白さを引き立てるのだろう。彼女たちにとってはバブル期のジュリアナ風衣装とヘア、メイクは十二単を着るのと同じで、時代風俗コスプレとして楽しんでいる風もある。その意味で、2007年では早すぎ、2027では遅すぎるという中での絶好のタイミングだったと言える。余談だが、私は平野ノラは好きだがブルゾン何とかは嫌いである。