香席

一月十四日(日)晴
午後二時より原宿妙喜庵にてお初香の香席。もちろん着物、袴着用である。今日は白つぽい柳条お召しに仙臺平の袴。袴は始まる前に着付けて貰つたので流石にぴしつと決まつて背筋が伸びる。余は第一席にて執筆を務む。茶室で客に呈茶の後立礼席にてお題香とて五種の香を鑑賞し、各自今年の歌會始の題に合はせた歌を詠む。二年ぶりの出席なるも、香席の記録は前よりは大分慣れて少しは記紙らしいものが書けるやうになつたと思ふ。その後弦楽四重奏の演奏を皆で聞き、春鹿の樽酒を開けて新年會。余は義太夫を習ふといふ初老の方と話し込む。其の御仁が羽織の紐を自分で結ばれたので驚く。余には出來ない藝當だからである。一日香りと音に遊んで歸宅九時前。