嫌いな都市

五月二十四日(木)晴
大嫌いな京都に出張で来た。美しいと思っていた若作りの年増のスッピンを垣間見て、憧れから嫌悪に変わったような感じで、あれほど好きであった京都が嫌いになって半年以上経つ。用事があるから行くが、町を歩いていても楽しいとも思わない。ある程度知っているから、初めて行く地方都市よりも興味を感じない。今回は京大の文書館で調べものがあり、鴨川を渡って御所の周辺を歩いたが、それは散策目的ではなくバスや地下鉄を使っても中途半端な距離になるので、それなら歩いてしまおうと思っただけだ。それにしても、京都の地下鉄は乗客のマナーがかなり悪い。観光客は荷物が多くて動作が遅くて邪魔なこともあるが、マナー自体はそう悪くないと思う。悪いのはむしろ住んでいる連中で、席をきちんと詰めて座らないから半端な空間がいくつも出来ているのに皆気にもとめない。優先席にも平気で若いのが座っている。嫌だと思うと嫌なところがとことん目について余計に嫌いになるものらしい。さらにこの先京都に泊まると宿泊税も取られるのだという。伝統や歴史におんぶにだっこで、たいしたものでもないのに京都というだけで高く売ってのうのうと暮らしている上に、取れるものは何でも取るという卑しさ。もう二度と京都に泊まるのはよそうと思っている。パリは京都と姉妹都市だそうだが、パリのすばらしさにくらべ京都の下賤さは明らかなのだから、姉妹都市は取りやめにした方がパリの為ではないかと思う。