氷雨

三月二十二日(火)雨、寒し。計画停電のため午後仕事にならず。寒くて暗い職場で所在なく過ごす。わたしにはもはや楽しいと思へることはなくなつたやうだ。耐へてゐる。己が愚かさの結果としてある現在の日々と自分の残りの人生に。生かされてある此の命を無駄にしたくはないが、此の先一体わたしは何を為していけばいいのか。混迷の霧は深く、光は見えない。大変申し訳ないことだとは思ふが、震災の犠牲者や家族を失つた被災者の方々の姿を目にすることによつて改めて思ひ知つたわたし自身の苦しみであつて、さうした人々への哀悼や悲嘆なのではない。悲しみや痛みをなぞれる気はするけれど、わたしの思ひは別にある。ただ、わたしにも失つた人がゐるといふことが共通するだけの話である。