異臭とアルフアロメオ

一月三十一日(火)晴
定時に退社し品川に赴く。異臭懇談会の飲み会にていつもの店に往く。主催のI氏他すでに在り。今日は総勢十七名となり、近来になき盛況にて新たに知己を得る方も少なからず。中でも車用部品メーカーD社のU氏と話し込み、アルフアロメオの話で盛り上がる。氏は現在のGTVを所有してをり、余も1975モデルの2000GTVに乗つてゐたことがあるので、共にアルフアの魅力について語り出すと止まらない。8Cコンペツイオーネの人間的な色気と作り手の顔が見える点での高評価で意見が合ふ。余はポルシエを昔から感覚的に余り好きになれない。あのバタバタと鳴るエンジン音が野暮つたくて嫌ひなのである。だいたいドイツ車には魅力を感じず、イタリア車かさもなくばイギリス車を好む質なのであらう。
其の他いつもながら様々な業界の面白い話を聞き刺激になる。昨年嶺庵茶話会に呼んだT氏夫人も初参加。彼女は官能評価の世界では有名人で、此の日官能評価のセミナーがあつて、彼女も含めセミナーの講師全員がこちらに流れて来たといふ。講師のひとり、食べ物のテクスチヤーをレオロジーの知見を利用して測定評価してゐる人の話なども面白く聞く。口腔内の触覚や所謂食感に関して日本語のオノマトペーの豊富さは周知の事であらうが、実際日本人ほど食感を大事にする民族はないのではないかと思ふ。殆ど味を左右すると言つても過言ではあるまい。その割にこの分野を本格的に研究してゐるところは少ないといふ。興味の惹かれる分野である。