点茶と乾杯

五月二十七日(日)晴
七時半起床。入浴・朝食の後書斎にて毛筆を執り挨拶文を半紙に認め、着物に着替へてからN子と電車にてN子の実家に行く。茶の湯の稽古なるも、直前に都合の悪くなる者続出し、結局余とN子と義妹の他は初参加のN子の友人一人にて、内輪の稽古となる。余は棚ものを一回と昼食後に立礼席用の点前を三回やる。今度の土曜に三渓園にて呈茶席があり、余の人前での点前デビユーなれば其の予行演習也。合間の雑談に義妹K子が最近化粧品のテレビCMに出演し、ネツトなどでも見られると聞く。歳が離れてゐるせゐもあつて普段軽口も叩き合へる可愛い妹であるが、内輪の者が出るとなると何だか気恥しいものである。其の後袴を着け羽織袴の出で立ちにて、四時半過ぎ岳父の車で駅まで送られ、渋谷経由で信濃町に至る。駅近くのレストランに赴く。会社の同僚同士の結婚披露宴の二次会に出向くもの也。会費を払ひ顔を見知りたる者に挨拶などするも、流石に和装は異色にて目立つらしく、若く美しき女性陣と倶に写真に収まる事十指に近し。やがて六時開会となり、新郎新婦が登場し、司会の挨拶の後乾杯の音頭取りとして余が紹介され、今朝準備せし挨拶文を徐に懐より取り出して目を遣りつつ、一言祝辞を述べて乾杯の発声を行ふ。新婚の二人は実に幸せさうで、喜ばしい限りである。八時散会となり、横浜方面に帰る三名と同道。横浜にて女性一人去り、残つた男三人にて横浜西口にて十時過ぎまで軽く飲んだ後帰途に就く。十一時前帰宅。十一時半就寝。袴にて終始姿勢正したる故か立食なるも腰痛なし。