喜寿

五月二十六日(土)晴
午前久しぶりに車を洗ひ昼前N子と車にて出発。麻布十番香雅堂にて香道用品を少々買物の後東京ミツドタウンの駐車場に車を入れる。昼食の後サントリー美術館にて「毛利家の至宝展」を観る。雪舟の山水長巻図は圧巻であるが、他は左程驚くやうなものはなかつた。香道具もなく茶道具もまあまあの品々。大大名では矢張り御三家や細川、前田辺りの方が良いものを持つてゐる。まあ、余はもともと長州や長州人が大嫌ひなので、其の分点は辛くなる。ガレリアの店を何軒か見た後六本木を後にし三鷹の実家に行く。此の日父の喜寿誕生日なれば祝ふ。昔話の序でに父は疎開の際乳母付きであつたと自慢する。早めの夕食の後近くに越して來た、先日入籍し八月には子も生まれる甥の家に寄り、祝儀を渡して須臾にして去る。九時半帰宅。其の後読書。『細川日記』を読み始め、併せて近衞関係の本も読む。長州閥木戸幸一に対する憎しみ弥増す。