好き嫌ひ

十二月三十日(火)晴
余は好き嫌ひがはつきりしてゐるとよく言はれる。確かに、その極端さは特に好きだつた人が嫌ひになつた際に激しい。先日も、今まで大のお氣に入りだつた職場のTといふ若い女性を一氣に嫌ひになつた。此の女は、余の愛する能年玲奈の「あまちやん」に於ける役名と同じ音の名であつた爲にその名を呼びたくて親しくして來たのだが、先日嫌な事があつて以來まつたく嫌ひになつてしまつた。斜(はす)に構へて終始偉さうな文句や愚痴が多く、先輩諸兄に無神経なもの言ひが尠くない事に、突如我慢ならなくなつたのである。勿論余がこの女に好かれてはゐない、といふより恐らく嫌はれてゐるのも確かである。それでも今までは氣にせず親しく接して來たのだが、新年からはもう口を聞くこともないであらう。嫌ふといふより、もう一切興味はない。今年の心の大掃除がこれで完了である。