英雄の死

十二月六日(日)陰
ユーテユーブでジョナ・ロムーラグビー場での追悼セレモニーの様子を見る。ラグビーワールドカップの年、それもオールブラツクス優勝の快挙のすぐ後だつただけに、ニユージーランドのみならず世界中のラグビーフアンが悲しみに包まれた。セレモニーはジヨナの棺を元チームメイトであらう屈強な男たちが担いでグラウンドに運び、其の間ナシヨナルチーム始め幾つかの團體によるハカの後霊柩車に乘せ、未亡人や遺児たちによつて白い鳩が飛ばされるといふものであつた。勇者を送る悲しみに滿ちたハカが胸を撃つ。悲壮な、しかし力強いハカに余は思はず涕を溜めた。異次元のスピードと力強さでラグビー史上に殘るプレーを見せてくれた稀代のプレーヤー、眞の英雄に寄せる哀悼の氣持ちが傳はつて來るセレモニーであつた。飛び立つた鳩の姿が天に向かふロムーの魂のやうに見え、大きな喪失感をあらためて覚える。さらばロムー、安らかに眠れ。