国家の罠

十一月十三日(火)陰
佐藤優国家の罠』読了。あらゆる意味で面白い。リアルさという点でスパイ小説より面白いし、外務省や検察の内情を知る上で暴露本より面白い。検察官との対話篇としても面白いし、拘置所観察記、思考の内省録としても面白い。映画化されるべきものだと思う。国策捜査国家の罠新自由主義の悪魔の貌、ソ連やロシアの本質、国益とは何かなど、新たに教えられることも多く、自分が如何に世の中の出来事の本質を理解していなかったか、いや理解は今でもできないのかも知れないが、マスコミや民意という曇りガラスで如何に見誤ってきたかを知っただけでも、一冊の本を読むことから得られるものとして、ずば抜けてお得だと思う。佐藤氏の本はもちろん、言及された本も読みたくなり、読書の無限ループ状態である。そうなると、佐藤氏が体験した獄中での読書三昧の時間が羨ましくなるのである。