雑感

 センバツ高校野球中止。高校野球あるいは高校球児を特別視するつもりはないけれど、可哀そうだなとは思う。一生懸命やって勝ち取った全国大会出場という意味ではほかのスポーツと変わりはないはずだが、まあとにかく残念である。要するに、本当に開催して感染が広がることを懸念しているというよりは、開催した場合の批難を恐れてマジョリティの動向に同調するということなのだろう。これは軍部の恫喝を恐れて真っ当な判断力を失った戦前の日本人と変わらない心性というよりほかない。軍部の圧力がネットの「批判」に替わっただけの話である。「このご時勢」に従うだけで、何ら批評性をもたずに解決に向けた思考すら拒絶する姿勢である。それで身の保全を図るつもりなのだろうが、それより前に国家や社会が崩壊する可能性に想像力が働かないのである。それにしても、これほど世間が恐れるのも、日本政府の発表する感染者数を諸外国同様に国民も鼻から信じていないからではないかと思う。嘘ばかりついて国民をなめ切った現政権の言うことなどもともと疑ってかかっているから、もっと国内に感染者はたくさんいるはずだと思って恐怖心が煽られるのだろう。