戦後の夏

七月十九日(木)晴後陰
帰宅後浴衣に着替へる。先日岳母から貰つた兵児帯を締める。昼間は暑かつたやうだが夕刻になつて気温が下り、北側の窓から好い風が入つて涼しい。昨年來昼間暑くても朝晩は凌ぎやすいといふ昔ながらの夏になつてゐる。此れがもし、節電によりクーラー使用を控へ、それがヒートアイランド現象を緩和した結果であるのなら、節電をずつと続けた方がどんなに暮らしやすいことか。さうなれば原子力発電も不要である。國民は原発の問題を前にして暮らし方を見直さうといふ気持ちでゐるのに、政府は結局のところ儲けることしか考えてゐない大企業の意向に沿つて、詭弁を以て相変わらず國民を欺かうとしてゐる。それにしても震災前にオール電化などといふ戯言を掲げて旗を振つてゐた東京電力や電気製品を売らんがなの大企業を赦すことは決して出来ない。さうした企業のスポンサーシップで成り立つマスコミ然りである。
夕食後讀書。『プリンス近衞殺人事件』を読み継ぐ。