體調

二月二十六日(火)晴
朝起きて着替へてゐる際に頭を上げた途端に足許がふらついた。立眩みに近い。何とか準備を終へ出勤するためいつも通りの時間に家を出るも、いつもの電車に乘り遅れた。驛で少し休み、會社までの道のりを考へるととても辿り着けないやうな氣がしたので家に戻り今日は休むことにした。歸宅して晝まで眠る。
花粉症に加へ五十肩は痛みが去らず、余りに長引くので氣は鬱して來るし苛立ちもする。其の上目眩や後頭部の鈍痛、ひどい肩凝り首筋の痛みが重なり、子供の頃骨折して曲がつた儘の左腕の肘まで痛む。齢を取ると何かと不自由なものであるらしい。毎年此の時期は體調が芳しくないとは言へ今年は一寸甚だしいものがある。目眩の原因に男性更年期障害もあるのかも知れない。但しEDとは無縁である。
晝食後再び眠る。夕方起きて『秋刀魚の味』のDVDを観る。會社の友人から借りたもの。改めて観るとカラーの新鮮さはあるが『晩春』『麥秋』には遠く及ばず、科白に嫌味も感ずる。野田高梧が言つたといふ、「此れが小津の遺作とは可哀相だ」との言葉も頷ける。石坂昌三著『小津安二郎茅ヶ崎館』讀了。急に思ひ立つて『全日記 小津安二郎』と『小津安二郎:人と仕事』の古本を共にネツトで註文。少しばかり原稿料が入つたので思ひ切つて長い事欲しかつた此の二冊を買ふことにしたのである。二冊で壱萬壱阡伍百圓程。
頭の鈍痛が續くので尺八練習は止める。明日體調が戻れば出勤し、帰りに目眩外來を掲げる病院に往つてみる積りである。